2015年7月25日土曜日

ハイレゾプレーヤー(PonoPlayer)の使用感もろもろ。

PonoPlayerとは

PonoPlayerは、ロックミュージシャンのニール・ヤングがKickstarterで出資を募り、音楽の音質にこだわって制作したハイレゾプレーヤー。音響の設計はオーディオメーカーのAyre Acousticsが担当している。また、Firmware Version 1.0.5からはDSDにも対応している。残念ながらイコライザーやエフェクト機能はついていない。現在下記のフォーマットに対応している。

  • DFF/DSF[DSD64,DSD128](from Firmware Version 1.0.5)
  • FLAC
  • ALAC
  • MP3
  • WAV
  • AIFF
  • AAC (保護なし)

私は、少し前にKickstarterに出資して入手したが、今はPonoPlayerの公式サイトからAmazon.comへリンクがあり、そちらから購入が可能。価格は$399とハイレゾプレーヤーとしはお手頃な部類だと思う。
DACは、ESS ES9018Mを使用している。メモリは内臓64GBとmicroSDカードスロットが1つ、そして、付属品として64GBのmicroSDが付いている。ただ、現在Amazon.comの商品説明にはmicroSDが付属と書いていないようなので、mircoSDが付属するのはKickstarterで購入したロットのみかもしれない。

あと、特徴的なのは、本体上部に3.5mmのステレオミニジャックが2基あり、通常左側がヘッドフォン端子、右側がライン端子になっており、モードを切り替えることにより、ステレオミニジャックが2基使用したバランス接続が可能となる。バランス接続することにより、より高音質な再生を楽しめるみたいなのだが、残念ながら私はバランス接続できるヘッドフォンを持っていないのでその辺の使用感は語れないのだけれど。


ファーストインプレッション



まず最初に驚いたのが木箱に入って届いてきたこと。そして本体が思った以上にでかいということ。左の写真は、SonyのNW-S760シリーズとの比較。そして、本体には「+」「○」「-」3つのボタンしかないシンプルさ。ちなみに「○」で電源のオン/オフ、及び、再生中の一時停止(シングルクリック)、曲送り(ダブルクリック)、曲戻し(トリプルクリック)を行い、「+」、「-」でボリューム調整ができる。そのほか通常の操作は液晶がタッチパネルになっており、そちらで操作を行う。タッチパネルの操作は、反応が過敏というかスワイプが単なるクリックになってしまうことが多く思った通りの操作ができず、自分としてはボタンでの操作の方がいいと思った。ただ、ファームのバージョンアップによって改善はされているので今後に期待かも。


サウンド

肝心な再生音に関する印象。ヘッドフォンには、audio-technicaのATH-W1000を使用。
正直、それほど期待していたわけではなかったのだが、実際の音を聴いて良い意味で驚いた。再生音は原曲に忠実かつ力強くクリアな印象。まずはmp3の再生ん音の実力を見極めるため、自分が保有しているHD60GD9とで、同じmp3のファイルを再生し、聴き比べてみた。D60GD9と比べるとやや繊細さに欠けるというか左右の音の分解があいまいな印象を受けるが、ほとんど差がない印象。左右の音の分解性能に関しては、バランス接続すればある程度解消されると期待はしている。

次にハイレゾの再生音を確認するためにmoraで配信されているハイレゾであるflacのファイル(96kHz/24bit)を購入し、聴いてみたところ、もうこれは別次元だった。正直付属のヘッドフォンをハイエンドのヘッドフォンに変更した時以来の衝撃を受けた。ちょっと言い過ぎかもしれないが、ハイレゾとして配信されている曲をmp3とで同じヘッドフォンを使用して聴いてみると、mp3では聴こえなかった音が聞こえるというか、音の密度がちがうという印象を受ける。
ハイレゾの曲を聴いたとき、昔CDよりレコードの方が音が言っていた人がいるのを思い出し、それが少し理解できた。ハイレゾを聴いた後では、CDの音はどこか薄く感じてしまう。例えるならCDの音がmp3の128Kbpsだとするとflacはmp3の256Kbpsの曲という感じ。

評価結果としては下記のような感じだろうか。
PonoPlayer(mp3) (≒)< HD60GD9(mp3) << PonoPlayer(flac)

その他

PonoPlayerには専用のponomusic worldというPC用の専用アプリがあり、そこから、ponomusicで配信されている曲の購入やプレイヤーの転送ができる。ponomusicから曲を購入しなくても、Sony Network Entertainment の Media Goなどとファイルを共有(同じフォルダで管理)すれば、Media Goからで購入したハイレゾ(flac)の曲のファイルをponomusicを使用してPonoPlayerに転送することができる。
ファームのバージョンアップファイル等もponomusic worldから転送するので、ponoplayerを購入した場合、ponomusic worldはPCにインストールはしていた方が良いだろう。

CDとハイレゾ配信

今後アルバムなどを購入するCDとハイレゾ配信のいずれの形態で購入するかかが悩みの種になりそう。
自分は物で持っていたい派なので、正直ジャケットや歌詞カードなどが欲しいがためにCDのような形で手に入れたいのだが、音楽として考えるとハイレゾとして配信されているファイルの方が良いに決まっているし。

CD買ったらハイレゾ配信のファイルもダウンロード可能という形にはならないのだろうか。。。もしくは、ハイレゾ配信のファイルをもっと安くするとか。



2015年7月30日 DSDの対応について更新しました。

2015年6月21日日曜日

ハイエンドヘッドフォン(イヤフォン)への道
(今となってはミドルエンド?)

唐突ではあるが自分が使用してきた主なイヤフォンを紹介していきたと思う。
ただ、イヤフォンは正直2万を超えるあたりから投資額に見合った変化がなくなっていくと思うので、この先は好みの音にターゲットを絞っていくのが賢明だと思う。そして、その参考になれば幸いです。
とはいえ最近のハイエンド(IE800とかRoxanneとか)が気になり始めてる。

Bose in-ear headphones (TriPort®IE)

一番最初に購入したハイエンドイヤフォン。それまではあまりイヤフォンの性能とかをあまり気にしていなかっただが、会社の後輩から借りて聞いたときの衝撃は今でも忘れられない。それは今まで聴いていた時間をごっそり損していたなと感じるほどに。
このヘッドフォンは、中・低音の重量感が素晴らしい。もっとも、後で知ったことなのだが、このイヤフォンにはパッシブ・イコライザーが内蔵されいるらしく、多分にパッシブ・イコライザーのおかげっぽいんだけど。ただ、このイヤフォンで聴くとBoseらしいというか、どの曲を聴いてもいわゆるBoseサウンドになってしまい、生の音をそのまま聴きたいという用途には向いていないと思う。
また、このイヤフォン良くも悪くも外部の音はほとんど素通り状態。外部の音を遮断したくない時には重宝するが逆に電車とか外部のノイズを遮断したい用途には向かない。

総合★★★☆☆サウンドトラックなどBGMサウンドとしてまったり聴くのには最適
高音★★★☆☆可も不可もなく無難にまとまった音
中低音★★★★☆パッシブイコライザーのおかげで重厚な音が聴ける
解像度★★☆☆☆解像度はあまり高くなくまったり聴かせる感じ
遮音性★☆☆☆☆ほとんどなし
装着感★★★★☆圧迫感がなく長時間つけても違和感を感じない

audio-technica ATH-CK10

Bose in-ear headphonesをしばらく使っていて、元の音をもっと素直に聴かせてくれるイヤフォンが欲しくなって購入したのがこれ。初めてバランスド・アーマチュア型のイヤフォンを購入したんだけど、これがまた衝撃だった。イヤフォンで音の解像度という用語の意味がはじめて分かった気がした。このイヤフォンで曲を聴くと音の一つ一つがはっきりして今まで気が付かなかった音がいっぱいあることを感じた。また、音の立ち上がり(反応)も早く、立ち上がり部分もはっきりと聴こえ、ボーカルとかの息遣いが感じられる。それから、このヘッドフォンの装着感はすばらしく、重量が軽く耳にすっぽりとはまる感じで長時間つけていても全く苦にならない。遮音性も非常に高く電車内でもノイズキャンセル機能なんてこれがあればいらないじゃんと思える。
ただ、このイヤフォンも万能ではなく、音はいわゆるaudio-technicaが得意とするドンシャリ系でよく言えば高音域はきらきらした感じできれいな感じだが、高音が苦手な人は長時間聴いているとちょっと疲れてくる。また、ドライバーが2つしかなく、中高音をターゲットにしているため、低音域は少し物足りない感じが否めない。

総合★★★★☆中高音の音をきらびやかに聴きたいときにおすすめ
高音★★★★☆高音域は解像度も高く素晴らしいが、長時間聴いていると聴き疲れするかも
中低音★★★☆☆中低音は少し物足りない
解像度★★★★★解像度は高い
遮音性★★★★★耳栓レベルの高い遮音性
装着感★★★★★自分が持っているイヤフォンではこれを超える装着感のものはない


audio-technica SOLID BASS ATH-CKS1000LTD

ATH-CK10にそれほど不満はなかったんだけど、やはりインストルメンタル系の曲を聴くと、ATH-CK10どうしても低音域の迫力が足りなくて低音が強く出るものを探している過程で購入したイヤフォン。このイヤフォンは全体的に高レベルにまとまってきれいに音が出るのでとても良い。特に低音域の響きは素晴らしいものがある。ただ、難点があるとするとコードの素材が固いせいかコードをこすってしまった時や風が当たった時にコードからのノイズが入りやすく、通勤時などの歩きながら使う用途にはあまり向いていない。

総合★★★★☆どんなソースでも無難に再現してくれる
高音★★★★☆audio-technicaらしいきらびやかな高音域の音
中低音★★★★★中低音も響きは素晴らしい
解像度★★★★☆解像度もそこそこ高い
遮音性★★★★☆そこそこ高い
装着感★★★★☆ちょっと本体が大きいので長時間つけてると疲れる

JVC HA-FXT90

これは“カーボンナノチューブ振動板”採用というものがどんな音がするのか興味本位で購入しただけなんだけど、聴いた途端スピーカーで聴いているような音圧を感じたのですごい驚いた。もともとイヤフォンで聴くのはあまり好きでなく、外出時以外ではイヤフォンを使用することはほとんどなくスピーカーで聴いているため、最初にこれの音を聴いたときはまさにこういうもの探していただという気持ちだった。バランスド・アーマチュア型に比べれば解像度は低いのは確かなんだけど、このスピーカーで音楽を聴いているという感じがたまらなく好きになり愛用の一品となった。ただ、これを購入した当初、カーボンナノチューブを使用したモデルがこれ(ミドルエンド)しかなく、もう少し解像度も改良されたものがほしいなとは思っていた。


総合★★★☆☆値段の割にはいい音が出ていると思う。なんとちってもスピーカーで来ているような感じが良い
高音★★★☆☆高音域は少し弱い
中低音★★★★☆中低音の響きは素晴らしい
解像度★★★☆☆解像度値段相応
遮音性★★★★☆そこそこ高い
装着感★★★☆☆フィット感は少しもの足りない

JVC HA-FXZ200 LIVE BEAT

JVC HA-FXT90の発売後、待望の“カーボンナノチューブ振動板”採用のハイエンドモデル。そして今一番のお気に入り。HA-FXT90で弱かった高音域の音や音の解像度も向上しかなりいい感じに仕上がったモデル。音の音圧感もさらに強化されよりスピーカーで聴いているような感じが強くなった。もちろんバランスド・アーマチュア型に比べれば解像度は低いのでモニタ用途には向いていないとは思うけど。
ただ、スピーカーで音楽を聴くような感じで聴く分には申し分ないと思う。


総合★★★★★個人的には一番のおすすめ(好み)
高音★★★★☆高音域は少し弱い
中低音★★★★★中低音の響きは素晴らしく力強い
解像度★★★★☆解像度もハイエンドとしてなかなか高いレベル
遮音性★★★★☆そこそこ高い
装着感★★★★☆フィット感は少しもの足りなく、個人的にこのイヤフォンの唯一の弱点だと思ってる